このページでは、魅力アドバンテージテスト「ハウトゥファシネート(How to fascinate)」タイプ分けのひとつについて、書籍「あなたはどうみられているのか?」から抜粋・編集した内容を記載しています。
人はだれでも他社を惹きつけコミュニケーションするための特性を持っており、それをわかりやすくイメージさせるために、ハウトゥファシネートでは「アーキタイプ」と名付けています。
アーキタイプは42個あり、このページに記載しているのはそのうちの1つだけです。もし42個すべてをざっくり見てみたいならこちらのページへどうぞ。
Table of Contents
コンポーザー:警告×イノベーション
コンポーザーってどんな人?
クリエイティブで、明確な目標をもって動くコンポーザーは、会社の収益アップにつながる革新的なアイデアを生み出せる人です。普通なら目先の利益に走りがちな状況でも、コンポーザーは長期的な視点で考えます。一時的に収益が悪化するリスクがあっても、その損失はいずれ取り戻せることが見えているので、長期戦略をかたくなに主張します。会社の将来に対する明確なビジョンを持ち、その実現に心血を注ぎます。
コンポーザーは新しい考え方を歓迎するタイプではありますが、衝動的に動くことはありません。新しいアイデアはよく吟味した上で、計画的に取り入れます。
スキルがあって、独創的なコンポーザーには、すぐれたプロジェクトマネージャーの素質があります。この人は、プロジェクトをただ漠然と進めていくのではありません。コンポーザー(作曲家)やアーティストが、完成作品をイメージしながら制作するように、理想の結果を描きながら仕事に取り組みます。それが「コンポーザー」という名前の由来です。
アーキタイプ・ツイン
アーキタイプ・ツインはあなたのアーキタイプと非常によく似たアーキタイプのことです。使っている上位2つのアドバンテージは同じですが、第1・第2の順番が異なります。ツインについて学ぶことで、人から自分がどう見えているのかを更に別の角度から捉えられます。
クイックスタート
ダブル・トラブル
強いストレスと感じたり、圧倒されたり、恐怖を感じたりしたとき、いつもの健全なバランスが崩れ、あるアドバンテージの特徴が悪い方に目立ってしまう状態のことです。第1アドバンテージに頼りすぎると、普段は強みとなっている特徴が弱点になってしまいます。
警告を第1アドバンテージとするアーキタイプのダブルトラブルは、コントロールフリークです。
コントロールフリーク
コンポーザーを表す5つの形容詞
1.戦略的
遠い未来を見据えることができます。もしこのタイプの人がCEOなら、最終損益に貢献するか、総合的なビジョンに即しているか、といった基準でプロジェクトを評価します。無益なプロジェクトには手を出さず、長期目標に好影響を与える現実的な選択をします。
2.きめ細かい
問題にきめ細かく対応する方法を見出し、巧みに解決していきます。生産性を向上させるためにプロセスを微調整したり、市場シェアを拡大するために製品仕様にきめ細かな工夫を凝らしたり、その市場にふさわしい顧客サービスを探るために実験を行ったりします。
3.思慮分別のある
新しいアイデアに対してオープンではありますが、目標達成に役立つものかどうか事前にしっかり精査します。世才のある人で、急進的なやり方に飛びつくことはなく、その効果を評価し、試してから採用します。
4.理性的
自分の意見を分かりやすく伝え、問題にはきちんとした根拠を持って対応する人です。たとえばフリーミアム・モデルの実験に関するプレゼンでは、アプリの無料ユーザーを有料ユーザーに変える手法について、明確な説明を用意していることでしょう。
5.対応が早い
石橋を叩いて渡る慎重派ではありますが、そのことが対応スピードや生産性に悪影響を及ぼすことはありません。遅延を避け、期日通りにプロジェクトを完了させるために全力を注ぎます。
コンポーザーらしい独自の価値とは?
クリエイティブな才能と、秩序をもって仕事を進める能力を兼ね備えている珍しいタイプです。夢を描くだけでなく、それを実現するために熱心に行動します。
「イノベーション」のアドバンテージにより、独創的なソリューションを考案するのが得意な一方、第1アドバンテージが「警告」なので、最高のアイデアを期限通りに予算内で実現したいという気持ちも強い人です。うまくいかない可能性のある部分に常に注意を払い、問題や遅延を防ごうと懸命に努力します。
小さなスタートアップ企業でも、世界的な大企業でもうまくやっていけるタイプです。古い体質の企業を変えようと挑み、革新的なアイデアの実現にひと役買ってくれるでしょう。
コンポーザーらしさが生かせない環境とは?
生まれながらの起業家です。秩序立てて仕事を進めるタイプではありますが、同じ作業をただ繰り返すだけの仕事では疲弊してしまいます。斬新なアイデアを提案し、それを実践する自由裁量を与えると、新たな可能性を探るのが好きなコンポーザーの才能を大いに生かせるでしょう。
コンポーザーの良さを生かすには?
ブレストでアイデアをぽんぽん出せる人です。しかも、アイデアを出すだけで終わるのではなく、その中から最適なアイデアを選び、実現させていく推進力もあります。細部にまで目を光らせながら、現実的な解決策を導き出せる人です。
企業からなら、革新的なビジョンを持ち、ライバルと競い合うのではなく、まったく新しい市場を創り出そうとするでしょう。市場テストも積極的に行い、顧客の意見を取り入れながら、ニーズに合わせて製品を微調整します。
コンポーザーのベストパートナーになりうるアーキタイプは?
相性が良いのは「オーケストレーター」。どちらも細部にまで目を配るタイプですが、オーケストレーターは情に厚く、人間関係を深めることを重視するので、チームの団結心を高めることを得意とします。
一方、「策謀」も良きパートナーとなります。「策謀」は、人や仕事について、理性と感情の両方の視点で捉えることのできる人です。
コンポーザーから学べること
長期的な目標は、創造性と決意によって達成することができる。
コンポーザーへのワンポイントアドバイス
あなたはすぐれたアイデアを創出でき、それを実現する方法も知っています。あなたは一人でも仕事を成し遂げられる人です。それは素晴らしいことだと思います。ですが、その仕事ぶりはときに「なんでも1人でやってしまう人」という印象をあたえることがあります。あなたの中にある「信頼」のアドバンテージを使って、温かい心の繋がりを築き、忠誠心を育み、チームメイトの絆を強化してみてください。あなたは対応の早い人なので、「信頼」のアドバンテージを取り入れるや否や、あなたの良さがすぐにみんなに伝わるはずです。
また、人にアドバイスする前に、「神秘性」のアドバンテージを使って相手の話をよく聞くようにしてみてください。あなたのグループ管理に関する考え方は非常に優れています。相手があなたのアドバイスをどう受け止めるか、という視点も取り入れてみてください。聞き手に、あなたの考え方の本来のすばらしさを理解してもらえるよう、伝え方を工夫することも大切です。
コンポーザーのアーキタイプをもつ著名人
ラルフ・ネーダー(米国の消費者運動家)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A9%E3%83%AB%E3%83%95%E3%83%BB%E3%83%8D%E3%83%BC%E3%83%80%E3%83%BC
ポール・リビア(米国の建国の闘士)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%AA%E3%83%93%E3%82%A2
コンポーザーのキャッチフレーズの一例
微調整されたインスピレーション
コンポーザーがこのキャッチフレーズを具現化し、活躍している例
ブレンダは自由に発想することを好みますが、同時に、そのアイデアは実現可能なものでなければならないと考えています。チームでブレストするときは、細かくメモを取ることにしています。その後、クライアントについて徹底的に調べ、相手の状況にピッタリのアイデアを選びます。「下手な鉄砲も数打てば当たる」というやり方ではなく、相手に合わせて細かく調整したアイデアを提案したいと考えているからです。クライアント側も、戦略に長けた彼女のビジネス手腕を買っており、戦略構築を支える協力者として、彼女を頼りにしています。