このページでは、魅力アドバンテージテスト「ハウトゥファシネート(How to fascinate)」タイプ分けのひとつについて、書籍「あなたはどうみられているのか?」から抜粋・編集した内容を記載しています。
人はだれでも他社を惹きつけコミュニケーションするための特性を持っており、それをわかりやすくイメージさせるために、ハウトゥファシネートでは「アーキタイプ」と名付けています。
アーキタイプは42個あり、このページに記載しているのはそのうちの1つだけです。もし42個すべてをざっくり見てみたいならこちらのページへどうぞ。
Table of Contents
クイックスタート:イノベーション×警告
クイックスタートってどんな人?
独創的な思考力と、計画に沿ってものごとを実現する推進力を兼ね備えた人です。
チャンスを瞬時に見極め、強い意志と集中力をもってプランを実行するという、他の人にはなかなかできないことをやってのけます。「イノベーション」のスコアが高いので、クリエイティブで自由な発想ができる一方で、「警告」のアドバンテージも強いため、タスクを着々とこなし、時間通りにやり遂げることにも長けています。
クイックスタートが採用試験を受けるとしたら。その履歴書には素晴らしい業績が並び、細部まで丁寧に記載されているはずです。とはいえ、すべてが型どおりではなく、たとえば、個性的な言葉や珍しいフォントを使ったり、レイアウトが少し違ったりと、少しユニークな部分が見られるでしょう。そして面接では、突飛でありながらクレバーな答えで担当者を驚かせるでしょう。
クイックスタートは、その名の通り素早い対応ができるので機転の利く人です。大胆さと細かさを併せ持つ複雑な正確で、時間があるときは慎重に熟考してから決断しますが、時間がないときは、すばやく賢明な判断を下します。
アーキタイプ・ツイン
アーキタイプ・ツインはあなたのアーキタイプと非常によく似たアーキタイプのことです。使っている上位2つのアドバンテージは同じですが、第1・第2の順番が異なります。ツインについて学ぶことで、人から自分がどう見えているのかを更に別の角度から捉えられます。
コンポーザー
ダブル・トラブル
強いストレスと感じたり、圧倒されたり、恐怖を感じたりしたとき、いつもの健全なバランスが崩れ、あるアドバンテージの特徴が悪い方に目立ってしまう状態のことです。第1アドバンテージに頼りすぎると、普段は強みとなっている特徴が弱点になってしまいます。
イノベーションを第1アドバンテージとするアーキタイプのダブルトラブルは、アナーキーです。
アナーキー
クイックスタートを表す5つの形容詞
1.多作
考え方も行動もクリエイティブです。壁にぶつかっても、そこで留まることはなく、創意に富んだソリューションで乗り越えます。さっとプランを練り、仕事を片付けてしまう人です。即興でスピーチが必要な状況では、水を得た魚のようにうまくこなすでしょう。
2.徹底している
考えるのが早いからと言って、決して雑なわけではありません。仕事が丁寧で、状況を細部まで把握しています。チームに新しいプロジェクト計画を提案する際には、とてもわかり易く説明します。そして、期日通りにタスクを完了できなかったときの結果を、みんながきちんと理解できるよう確実に伝えます。
3.入念
慎重に決断し、言ったことは必ずやり遂げます。たとえばこの人が「翌日納品」と言ったなら、その言葉を信頼することができます。問題解決に対する率直かつ誠実なアプローチは、クライアントからも高く評価されています。
4.やればできるという精神
別の視点、捉え方をすばやく見つけることができます。賢くて、型破りで、ちょっと生意気な面もあります。新しい課題に直面しても、「きっとうまくいく」と堂々としています。向かうところ敵なしと言った感じです。
5.信頼できる
人をがっかりさせるタイプではありません。約束を守るので同僚からも顧客からも信頼されています。
クイックスタートらしい独自の価値とは?
自立心があり、常に自分をコントロールしているクイックスタートは、新鮮なアイデアを生み出し、実現することで、価値を生み出しています。単に夢を語るだけではなく、創造力と目標を達成する実行力を備えた人です。
複雑なプロジェクトやクリエイティブ・プロジェクトのマネージャーが必要なら、クイックスタートが適任です。実直で勤勉な彼らは、細部にまでしっかり目を配ります。必要であればプランを調整し、問題に対する画期的な対応策を見出します。納期意識が高いのも彼らの特徴です。枠に囚われずに考える自由裁量を与えると、本来の力を発揮します。必ず成功させるぞ、という固い決意を持っている人なので、ほうっておいても自主的に着々と仕事を進めます。
クイックスタートらしさが生かせない環境とは?
優しさや熱意よりも、知性が前に出るタイプです。タスク、責任、締切にフォーカスし、論理的な方法でチームを管理します。
臨機応変ではありますが、直感に従うというよりは、事実に基づいて考える理性的な人です。
クイックスタートの良さを生かすには?
すばやい対応が求められる環境で力を発揮します。忙しいコールセンター、空港、工場、救急救命室など、経験や知識を生かしてその場その場で判断することが求められる、プレッシャーの大きい職場で大活躍するタイプです。時間的制約の中で仕事を見事に成し遂げることができ、必要であれば、即断即決・即行動することも恐れません。
どんな環境でも大いに貢献できる人です。細かく役割やルールが決まっている組織では、改革や実験を推し進め、会社を前進させようと努力するでしょう。一方、枠組みのない混沌とした組織では、秩序を整え、明確なプランを構築し、説明責任向上に取り組むでしょう。
クイックスタートのベストパートナーになりうるアーキタイプは?
人間関係を育む手助けをしてくれる「愛される人」。
チームのやる気を高め、賛同を得るために説得力のある主張をする「リングリーダー」。
クイックスタートから学べること
クリエイティブ・シンキングは、実現できそうにない夢のようなアイデアを考え出すという意味ではない。
クイックスタートへのワンポイントアドバイス
明晰さをもってチームを管理するのが得意なあなたは、てきぱきとタスクを割り当てます。ですが、誰もがあなたのように理性的なわけではありません。感情的なエネルギーを糧にして、プロジェクトへ貢献しようとする人もいます。
情熱を見せることで、他の人をうまく巻き込むことができ、目標達成に向かってみんなで力を合わせられるようになります。ときにはチームメンバーと他愛のない会話を交わすなどして、心のつながりを築く努力をしてみてください。あなたの熱意を示し、成功したときのことをみんながはっきりと思い描けるように、具体的に説明してみて下さい。
クイックスタートのキャッチフレーズの一例
入念な、やりくり上手
クイックスタートがこのキャッチフレーズを具現化し、活躍している例
大きなプロジェクトの締切が明日に迫っており、メイは、細かな仕上げをしていました。するとそこへクライアントから電話がかかってきました。プロジェクトを監督している委員会が突如、方向性を大幅に変えたいと言い出した、とクライアントは取り乱しています。
メイは微妙な立場に立たされました。この変更は、契約した業務範囲を大きく超える仕事になります。が、その変更を行わなければ、最終的にクライアントを満足させることはできないと分かっています。最悪の場合、将来のビジネスチャンスを失うことにもなりかねません。
メイは動揺することなく、仕事に取りかかります。クイックスタート・タイプである彼女は「フィクサー」です。どんなリソースを利用でき、どのように生かせるのか、可能なオプションを素早く洗い出します。活躍のチャンスを待ちながら脇役に甘んじている同僚はいないか。今後の取り引きとのバーターで今回のプロジェクトに入ってくれるベンダーはいないか。「締切の交渉をしてもらえるなら、新しい方向性で何とか対応します」と言って制作期間を伸ばせないか・・・・・こうして、手元のあらゆるリソースを素早く見直し、メイは何とか窮地を脱することができました。