このページでは、魅力アドバンテージテスト「ハウトゥファシネート(How to fascinate)」タイプ分けのひとつについて、書籍「あなたはどうみられているのか?」から抜粋・編集した内容を記載しています。
人はだれでも他社を惹きつけコミュニケーションするための特性を持っており、それをわかりやすくイメージさせるために、ハウトゥファシネートでは「アーキタイプ」と名付けています。
アーキタイプは42個あり、このページに記載しているのはそのうちの1つだけです。もし42個すべてをざっくり見てみたいならこちらのページへどうぞ。
Table of Contents
厳粛:信頼×権力
厳粛ってどんな人?
みんなが自然についていくリーダーシップの持ち主です。
熱心で誠実な厳粛タイプは、天然の威厳を備えた人です。難しい問題に息詰まると(たとえ厳粛タイプの人がチームリーダーではなくても)、みんな厳粛タイプのところにアドバイスを求めにやってくるでしょう。
想定外のライバルが市場に参入してきた場合も、社内の業務手順に問題がある場合も、厳粛タイプは最適な対策を考え出し、確信を持ってそれを提案します。
「厳粛」という名前は、おごそかで真面目なイメージを表しています。このタイプの人には、豊かな業界経験と確固たるリーダーシップによって尊敬されている人が多いのではないでしょうか。態度は控えめながら、タスクに対する強い集中力を持って、チームを引っ張っていく人です。
アーキタイプ・ツイン
アーキタイプ・ツインはあなたのアーキタイプと非常によく似たアーキタイプのことです。使っている上位2つのアドバンテージは同じですが、第1・第2の順番が異なります。ツインについて学ぶことで、人から自分がどう見えているのかを更に別の角度から捉えられます。
守護者
ダブル・トラブル
強いストレスと感じたり、圧倒されたり、恐怖を感じたりしたとき、いつもの健全なバランスが崩れ、あるアドバンテージの特徴が悪い方に目立ってしまう状態のことです。第1アドバンテージに頼りすぎると、普段は強みとなっている特徴が弱点になってしまいます。
信頼を第1アドバンテージとするアーキタイプのダブルトラブルは、保守派です。
保守派
厳粛を表す5つの形容詞
1.威厳がある
きちんとした根拠を持って問題に対処します。コミュニケーションは自信にあふれています。人々は厳粛タイプがその場しのぎの発言をする人ではないことを知っているので、彼らのアドバイスを信頼し、尊重します。
2.安定感がある
混沌とした環境にあっても、平静を保つことができる人です。彼らの冷静な判断は、クライアントや同僚から信頼されています。たとえば、ツイッターのアカウントが乗っ取られる、と言った緊急事態には、みんな厳粛タイプに指示を仰ぐでしょう。じっくり策を練り、確信を得た時点で対策を提案します。
3.金言
常に高潔であろうとし、労働意欲の高い人です。その生真面目な姿勢に、チームメンバーもすぐに感化されるでしょう。厳粛タイプが率いるチームは、仕事を終わらせることに意識を集中させているので、無駄話をしている暇はほとんどないでしょう。
4.堂々としている
難しい局面でも動揺せず、困難を乗り越えるよう部下を鼓舞します。新製品の発売合戦でライバルに先を越されても、なるべく早く追いつけるよう発売に向けて粛々と取り組みます。
5.単刀直入
自分の考えを明確に、信念を持って人に伝えます。営業のプレゼンでは、真面目で現実的なアプローチにより、すぐ見込客の心を掴むことができます。
厳粛らしい独自の価値とは?
直線的に物を考える人です。課題には計画的に取り組み、プレッシャーのかかる状況にもうまく対処します。困難にぶつかるとますます闘志を燃やし、目標に向かって突き進みます。
企業家精神に満ちた環境では、地に足をつける役割を果たします。慌ただしい職場では、この人の冷静な思考力が大きなメリットとなるでしょう。たとえば、スタートアップ企業が方向性を変えようとしていたら、厳粛タイプは、あまり急激な変更を行わないようブレーキをかける役目を果たし、会社が軌道から外れないよう見守ります。このタイプの人は、最終目標を常に意識しています(チームにも意識させます)。
静かながらも圧倒的な存在感をもつ厳粛タイプは、人に安心感を与えます。その確かな実績も、顧客やサプライヤー、部下から信頼される要因のひとつとなっています。
厳粛らしさが生かせない環境とは?
華やかで注目を集めることが求められる職種は向いていません。厳粛タイプにとって、派手な振る舞いは、得意気に見せびらかしているように感じられるため、そういう役割は苦手です。また、無鉄砲だと思われたくないので、早急に結論を出すことはあまりありません。
問題があれば、論理的かつ冷静に対処し、よく考えてから行動します。
厳粛の良さを生かすには?
銀行に投資計画書を提出する必要があるなら、そのプレゼンは厳粛タイプにお願いするのが得策です。融資の増額を申し出る際、厳粛タイプの人は、銀行の担当者に「この会社は、計画通りに事業を展開していくだろうな」と思わせ、安心感をもたらします。
堂々と落ち着いたふるまいは、誰に対しても好印象を与えます。
厳粛タイプの人は、生まれながらのリーダーです。壮大でありながら現実的な目標を定めます。決めたことを最後までやり遂げ、簡単には方向転換しません。このタイプの人が上司なら、部下が勤勉であることを期待し、頑張った人には正当な報酬を与えてくれるでしょう。
厳粛のベストパートナーになりうるアーキタイプは?
納期意識を高める「コンポーザー」。
難局にあっても、常にワンランク上を目指す「マエストロ」。
厳粛から学べること
権威というものは、コミットメントと知識を通じて構築される
厳粛へのワンポイントアドバイス
顧客も部下もあなたの権威に敬意を払い、合理的に結論を導くあなたの能力をみんなが高く評価しています。ですが、状況によっては、もっと感情を出すことで、より早く相手を魅了できる場合もあります。
いつもより大げさなボディランゲージを使って要点を強調してみて下さい。また聞き手が、あなたの会社のビジョンをもっと具体的に思い描けるように、生き生きとした、情緒的な表現を使って説明してみて下さい。少しドラマ性を持たせることで、温もりが加わり、より早く相手の心を掴めるようになるでしょう。
厳粛のアーキタイプを持つ著名人
サム・ウォルトン(ウォルマート創始者)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%83%A0%E3%83%BB%E3%82%A6%E3%82%A9%E3%83%AB%E3%83%88%E3%83%B3
厳粛のキャッチフレーズの一例
熟慮の上の確実性
厳粛がこのキャッチフレーズを具現化し、活躍している例
シャノンは、金融会社の資金管理アドバイザーです。年度末が迫り、財務状況を把握しなければならないクライアントは神経質になっており、検討を重ねた末の確実な意見を求めています。
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