もし、毎年のように目標を達成できなかったり、ダイエットや禁煙に失敗したり、新年の抱負が形骸化しているようであればグレッチェン・ルービンの著書『人生を変える習慣の作り方』を読んでみてください。
意志力を使わず、習慣を変えて目標を達成する新しい方法が手に入れられます。
ここでは、その書籍について紹介していきます。
Table of Contents
『人生を変える習慣の作り方』
人は習慣化に関わる要素をいくつか持っています。
- コツコツ継続することが容易な性格・そうではない性格
- ルーチンの向き不向き
- 義務感への対応
- やる気の起こし方
- モチベーションの維持しかた
などです。
これら「人それぞれの特性」を無視すると、悪い習慣を手放すことも良い習慣を身に着けることもできなくなります。だれかがやっていることに影響を受けてマネをしたり、身に着けたい習慣を取り入れようとだけしたり、目標から逆算してやるべきことを算出したりといった具合に。
これらは、一見して正しいやり方に見えるかもしれません。ですがこれには「あなたの本能」や「性格の違い」がまったく考慮されていません。一見よさげに見えるやり方も、やる人(あなた)の本能に反していると逆風の中を進むようなもの。無意識の抵抗にさらされ続け、精神力を消費し、自己肯定感を下げるだけの散々な結果に終わるでしょう。
そんなダメスパイラルを防ぐには、本能に合った習慣化策を取り入れる必要があります。
本書で紹介されている習慣化のロジックはこのようになっています。新しい考えだと思いませんか?
習慣化のため、何にフォーカスをあてるべきか
「期待」という無言のプレッシャーに着目する
通常、何かを続けようと決意するときはこのような考えになると思います。
「これを続ければ(習慣)→こうなれるはず(良い未来)」
たとえば下記のように習慣と良い未来にはつながりがあります。
- 毎日歩けば→やせられる
- 勉強を続ければ→英語が話せるようになる
- タバコをやめれば→健康になれる
- 衝動買いをやめれば→貯金できる
でも、それで続けられないなら何かが間違っていたと考えるべきです。
そこで本書では、この先の「良い未来への期待」について「僕たちの本能がどう反応するか」を考えていきます。
「これを続けたい→そうしたいのは今より良くなる期待があるから→その期待に対してどう感じて行動するか自覚しよう」です。
着目すべきは良い未来への期待に対しての反応です。
なぜ期待に着目するのか
良い未来への期待があれば、すべての人が行動できるわけではありません。人のモチベーションはそれぞれ違い、期待に応えることが原動力になるかどうかもまちまちだからです。
期待への反応を分析する
2つの視点 自分と周囲
著者が多くの人を観察したところ、その期待にも2種類あるそうです。
- 外から課される期待(設定された締め切り、交通ルールなど)
- 自分で自分に課す期待(ダイエットするという決意、新年の抱負
この2つの視点で期待を分け、自分の本能がどう感じてどう行動するかを自覚しましょう。
期待への自分の本能的反応
外からの期待に応えようとするのか、反発するのか。
自分自身の期待に応えようとするのか、反発するのか。
2×2で4通りのパターンがあります。
期待への反応4タイプ
この内外それぞれの期待に、応えようとするかしないかで4パターンに分かれることになります。そのパターン、つまり習慣で形作られる良いことへの期待に対する反応の傾向が習慣の形成について大変大きな意味を持ってくるそうです。
この4通りのパターンについて、本書では下記の名前で区別しています。
- アップホルダー(約束を守る人) 外からの期待〇 自分で課す期待〇
- クエスチョナー(疑問を持つ人) 外からの期待× 自分で課す期待〇
- オブライジャー(義務を果たす人)外からの期待〇 自分で課す期待×
- レブル(抵抗する人) 外からの期待× 自分で課す期待×
〇が期待に応えようとするもので、×が期待に対して反抗するものです。
アップホルダー(約束を守る人)は、外からの期待と自分で課す期待両方に進んで答えようとし
クエスチョナー(疑問を持つ人)は、あらゆる期待を疑問視し、自分で正当だと判断した期待にだけ応えようとし
オブライジャー(義務を果たす人)は、外からの期待には進んで答えるが、自分で課す期待にはうまく答えられない
レブル(抵抗する人)は、外からの期待、自分で課す期待に関係なくあらゆる期待に反発する
このロジックを取り入れることで、自分がどうすれば行動しやすくなるか、その本能が分かります。わかりさえすれば今までよりもっとずっと抵抗値の少ないやり方にすることも簡単。
習慣化の事例は書籍に譲ります
人生を変える習慣の作り方
書籍ではこれら4つのタイプと習慣化について、数多くの事例が書かれています。
詳しくは書籍をご覧いただきたいのですが、たとえば
- まず変えるべき習慣は?
- 「先延ばしをやめる強力な武器」
- 良い習慣を破壊する原因はこれだ
- 身につく習慣・身につかない習慣の違い
など。
そして、肝心な自分は4つのうちどのタイプなのか判別するためのテストもあります。
なんとなく自分はXXだなと予想してこの習慣化に取り組んでみるのも一つの手ですが、著者が作り上げたテストだればより正しい結果が得られ、時間を無駄にすることがなくなります。
あなたはアップホルダーなのかオブライジャーなのか、それともクエスチョナーなのかレブルなのか。
よい習慣がひとつでも身に付けば、書籍代の何倍ものメリットが還元されることと思います。